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  道の駅巡り移動運用記
  アマチュア無線専門誌 CQ hamradio 2008年2月号146頁に掲載されました。
道の駅とは
2007年11月末現在、全国には868ヶ所の道の駅が登録されています。

現在と断りをしたのには訳ありで、道の駅は年に1〜2度、その数が増減するからです。

国交省道路局に登録されたものがオープンしたり、登録が取り消されたりして常に変動しています。

冒頭868ヶ所と書きましたが、実在する駅数は現時点では未オープン(建設中)が長野県上田市の

駅1ヶ所あり、台風の被害で北海道古宇郡神恵内村の駅が閉鎖中です。

また、2004年4月迄は京都府和束町に駅がありましたが、現在は登録を抹消され閉鎖しています。

従って、現在訪問できる駅数は867ヶ所になります。
● 道の駅の設置
このような差異が生じる理由は「道の駅」ができ上がるまでの経緯を見ればすぐに納得できます。

まず、「道の駅」は誰でもが勝手に造れるものでは無く、国が道路行政の一つとして国土交通省が設置するものです。

地域の自治体、農協、商工会、観光協会等から募集し、各団体の単独又は国と一体となって事業体を立ち上げて設置運営する

ものであり、助成金が交付されて建設されます。

国土交通省のこの事業は平成5年全国に103ヶ所設置したことに始まりました。

募集した「道の駅」を年に1〜2度、登録番号を付けて公示します。

その中には既に「道の駅」としての要件を満たし、登録即供用となる駅もありますが、

駅舎の設計中とか用地買収などの遅れなど事情は様々で、オープン予定は明示されていますが、それも確定ではありません。

また、嬬恋村のように長野県から岐阜県に表示上移転したため等々、様々な理由で登録番号が変動するので注意が必要です。

因みに2007年8月には10駅が追加されました。

http://www.mlit.go.jp/road/station/road-station.html  国土交通省の道の駅ページを参照下さい。

道の駅にもアワード
前説が長くなりましたが、道の駅にもアワードがあります。
ルールやリストが発表されると争奪戦が始まるのが常識のこと、誰しもがナンバーワンやパーフェクトを狙いに

いきますが、前説のような事情ですから瞬間的なパーフェクトはあっても、パーフェクト完結は無いのです。

いずれは飽和するでしょうが、今のところゴールの無いアワードと言えます。

通常アワードのトップランナーは1名と限られるものですが、これまでに、幾度となくパーフェクトトップが入れ替ると言う

ユニークなアワードでもあります。

ある時期パーフェクトであっても、新駅がオープンすれば一瞬にしてパーフェクトは取り消されてしまいます。

最近では数名のトップグループいますが、QSL待ちや申請の時間差などで常にトップを維持することは困難と思われます。
移動局に依存したアワード
通常、道の駅は公共施設であって、よほどの事情が無ければ施設の区域にアマチュア局は存在しません。

そのような区域で運用する局を対象したアワードであり、移動運用を啓蒙するある種の意図さえ感じさせます。

兎に角、道の駅で移動運用する局をゲットしなければポイントは増えません。

そこに移動運用した局は、全国のハンターからのパイルアップに遭うことになります。

また少なからず、パイルの快感を味わうために道の駅に行く局もいる程で、暇を見つけては幾度となく、

あちこちの駅でQRVする局は数百局は下らないと思われる盛況ぶりです。
● 道の駅スタンプが必要
自局が道の駅に出かけて、ターゲットになりに行くことに厳格なルールがあります。

その駅区域内で運用した事の自己申告と、その証明として道の駅に設置してある「道の駅スタンプ」を押印したQSLカードを

発行する事にあります。

私は、1つの駅でのQSOは、数局〜100局程度になり、駅区域内でマイカーの記念写真を撮り、帰宅後の印刷ミスも考慮して

10枚ほどは余分に押印してきます。

アワードについてはhttp://kujicity.com/ham.top.htm を参照下さい。
機動性が必要な移動運用
移動運用を仕掛けるには、目的地と交通移動手段、アンテナの設置、電源の確保など、それなりの計画を立てなければなりません。

道の駅は公共の場所で、むやみにアンテナを張ったり、携帯発電機などの騒音も出せません。

駅長さんの人柄にもよりますが、自車の駐車スペースからはみ出すことは迷惑行為となりアンテナを張らせて貰えない駅が

多くなっています。

また、駐車スペースが小さい駅では長時間駐車をとがめられたこともありました。
● 移動運用を行うために車を工夫する
このような条件の下で、幾多の道の駅を巡ることはある程度の装備が必要になります。

移動手段はマイカーをメインとしながらも、沖縄、佐渡、奄美大島、五島列島など離島にある駅には、費用のことを考えると

フェリーよりも航空機やジェット船などを利用することも検討に値します。

自身の健康面の体力と相談しながらも、効率的な駅巡りを計画をしてきました。

このような事柄から、電源はバッテリーの増設、アンテナは車両の屋根上に直立転倒式、

フルリクライニングの座席にコンパネの板を敷き車室を完全フラットにし、寝袋や布団を持ち込み、簡単な自炊ができる

キャンプ用具を準備しました。

自称「ヤドカリスタイル」写真を見て下さい。

初めのうちはメーカー製のアンテナを使っていましたが、どうも飛びが悪かったので、2年ほど前からは自作の4.5m長センター

ローディングのホイップを使っています。

この装備で、1〜2週間程度のツアー日程とし、道の駅で車中泊をします。

近頃は全国至る所に安価な温泉施設かあり、道の駅には食材が多く売られており、全く不便を感じません。

強いて言うならコインランドリーが少ないことぐらいです。
走破の経移
初めての道の駅は、2003年9月18日福井県おおい町(旧名田庄村)の名田庄を皮切りに約1ヶ月で、県内の駅は回り終えました。

仕事の都合で、自宅〜神戸間を往復することが多く、県外では同年9月18日京都府京丹波町(旧和知町)の和の駅が初めてでした。

爾来、1泊2日の日程で、約1年後には近畿を中心に、その周辺の県を走破しました。

この期間で、知らない土地での未知の駅巡りが如何なものかが把握できる様になりました。

本格的に遠征を始めたのは、2005年3月末、5泊6日山陽沿いの4エリア、同年4月初旬6泊7日南紀の2・3エリア、同年5月下旬には

8泊9日JARL総会に参加を加え1・2・7エリアへと足を伸ばしました。

同年7月中旬には9泊10日の日程で、初めての北海道ツアーに出ました。1・7・8エリア35駅と、峠でQRVしてきました。

その後も、2ヶ月に一度のペースでツアーを重ねていました。

一方、国交省は、この年8月には新設の駅45ヶ所を追加しました。

ログを遡って見れば、さすがに冬期間は冬ごもりをしていたようです。

2006年は3月下旬に動き出し、2・3エリアの未訪問駅をつぶし、4月下旬3泊4日で3エリアから4エリア山陰地方をツアーしました。

5月中旬には4泊5日で初めて沖縄に移動しました。32時間のフェリーでの往復、離島での運用の失敗は許されないとの気迫で、

予備の装備も万全にして出かけました。

沖縄は一度きりとの思いでしたが、翌年読谷村に喜名番所駅が新設され、2度行くはめになりました。

その後、2度目の沖縄や奄美大島・五島列島に行ったときには、キャスター付きリュックにリグを納め、釣り竿アンテナを竿袋に入れた

登山スタイルにしました。

現地ではレンタカーを賃借。ブースターケーブルで電源を取り、車のルーフにマグネットベースの釣り竿

アンテナを立て、車中でオペレートしました。

同年5月下旬には10泊11日JARL熊本総会に参加を加え4・6・5エリア、2度目の九州にツアーを組みました。


2006年は9月下旬3週間の日程で日本海側を北上、東北61駅、2度目の北海道52駅、関東43駅など合計154駅を回りました。

約3000弱のQSO。約70%がCWでの交信でした。 帰ればもう一つ仕事が待っています。

パソコンでQSLのデザイン作成と発行までに5〜6日間かかり、約5KgにもなるQSLカードをBUROに送りました。

この旅程では、走行距離7600km 寒さ対策を考えて、DC・ACインバータと電気毛布を持込み、冬物衣類を用意したことで

寒さ対策は万全でした。

その他コールマンに4リッターのホワイトガソリン、ドリンク水6リッター、水道水5リッター、サトウのご飯20食に

即席食品、生野菜少々、不足の生野菜や魚と水は道の駅で調達しました。

この年8月には新駅が15ヶ所追加され、またもゴールは遠ざかりました。

これまでに回った駅は653ヶ所になりましたが、完走には程遠く、更に1年くらいはかかりそうです。

2007年3月に13駅が追加、8月には更に10駅が追加登録されて868駅になりました。

今年こそは残りの200ヶ所余りを回りきってパーフェクトを狙うべく計画を立てました。

2007年4月中旬には7泊8日の日程で1・2エリア41駅でQRVしてきました。

同年5月下旬には3泊4日JARL岡山総会に参加をし3・4エリア5駅、6月初旬には5泊6日で0・1エリア、26駅をツアーしてきました。

7月下旬2週間の日程で東北23駅、3度目の北海道30駅など合計53駅を回りました。

9月下旬2泊3日で四国九州の新登録駅6駅、10月初旬には6泊7日HF移動愛好会のミーティング参加を加え2・0・1・7エリアの

ツアーを行いました。

この時点までツアーは順調に進み、2007年10月末には北海道新駅一つと東北の新駅3駅、島根のnewと九州の未訪問11駅、

残り計15駅となっていました。

いよいよ終盤に近づき、北海道に雪が来る前に11月1日オープンの札弦に行くことにし、

復路で青森、岩手、秋田の新駅に立ち寄るスケジュールにしました。

残るは、島根・佐賀・長崎の12駅。11月下旬6泊7日で回り終えて、12月3日現存するすべての道の駅を巡り、

新規登録まで一段落となりました。
まだまだ続く道の駅
約3ヶ年と45日を費やして、日本全国の道の駅を回りきった事になります。

道の駅でのQSOはCW,SSB併せて延べ約20,000回、約20,000枚のスタンプを押印したQSLカードを発行しました。

マイカーの走行距離計の合計は、約60,000Kmにもなりました。

しかし、道の駅巡りは終わってはいません。2008年になると新規登録で新しい道の駅が誕生します。

● 阪神・淡路大震災が道の駅・移動運用を始めたきっかけ
移動運用には、様々なHAMのエッセンスがいっぱいです。

家族とのミスマッチや居住環境など、なんらかの理由で自宅から電波を出すことが困難なことなどから、やむなく移動運用に

出かけている方々多いことと思いますが、私は別な興味から移動運用を楽しんでいます。

私は、12年前、神戸三宮で阪神・淡路大震災に遭遇しました。

マイカーが無事だったので、すぐに「非常通信」という言葉が頭をよぎりました。

何かしなければと思いながらも、福井の自宅に置いてきたままで、三宮の仕事場にはリグやアンテナ設備がありませでした。

この時の歯がゆさから、何時でも何処でも運用可能という教訓を得ました。ひと昔まえの事ながら今でも悔やんでいます。

いろいろな角度で移動運用を楽しもう
ハムの立場からも、自宅では不可能な、いろいろなアンテナの実験や1.9MHzのDPも広い野山にでかければ可能になり、

移動地を選べば、パイルアップを受ける気分をも満喫できます。

アウトドアでの遊びには危険なことも多いかも知れませんが、旅行気分を満喫でき、見知らぬ人との一期一会、お空で逢った

だけのHAMとのアイボールなど楽しみがいっぱいです。高齢の私にとってなによりも体を動かすことでの健康保持に

役立っています。

マイカーを運転できる間は道の駅巡りを続けたいと思っています。

何処かでJA9CDのコールが聞こえましたら宜しくお願いします。

これまでの道の駅巡りで、200人を越える多くのHAM仲間にお逢いすることができました。

この場を借りてアイボールQSOのお礼を申し上げます